Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

喝采・・・

夕べ、渓流釣り仲間で飲んでいる時、

携帯にメールや電話の着信がやけに多かったのは覚えている。

23時過ぎに一人になった時にメールを見て驚愕した・・・。


「WAOちゃんが亡くなりました。

 お通夜は本日、告別式は明日です。 」


WAOちゃんは、高校時代からの友人で、非常に熱い男だった。

高校卒業後、家業の電気屋さんを手伝いながら、ベースマンをやっていた。


いつも我々のバンド「奥村倶楽部」を見に来てくれ、大笑いしてくれた。

 
私が芝居をやっている事を、すごく応援してくれて、

忌憚のない感想、映像・音響面での多大なサポートをもらった、

夜中に車を飛ばして、地方公演先の福島県喜多方市にまで来てくれたこともあった。


私が一人暮らしをする時、夜逃げ同然の引っ越しをトラックを運転して

手伝ってくれた。 真夜中の中央高速を家財道具を積んで突っ走った・・・。

佐野元春を大音量でかけながら、窓は全開。


思い出は尽きない。


その後、彼が実家の電気屋さんを飛び出した話という話を聞いた。

独立して事業を立ち上げたらしい。

実家との繋がりは、それ以降全くなかったらしい。

我々も彼の消息は、ほとんど知らなかった。


そこに突然の訃報・・・  全く信じられない。


告別式の遺影を見て、本当にWAOちゃんの葬儀だと気付かされた。

しかし、10年振りに彼に対面しても、まだ実感がわかなかった。

親族席には、奥様であろう女性と幼稚園生ぐらいの娘さんがいた。

私の知っていたおじさん、おばさん、弟は、誰もいない。


なんだか、WAOちゃんとの距離がもの凄く出来ていたように感じた。

一体、彼に何があったのだろうか? 



ちあきなおみ”の「喝采」の歌詞が、

昨夜から頭の中に浮かんでは消えている。

しかし、WAOちゃんには”喝采"はなく”無念”でしかないだろう。

幼い娘さん、奥さんを残す無念さを思うと、大変悲しい。


合掌。