「水になった村」(副題:ダムに沈んだ村に生きたジジババの物語)
この本はかなり感動した。
そこに生きるジジババの暮らしに入り込んでいく。
やがて徳山ダムに沈む暮らしを写真と文章で記録する。
畑を耕し、木を切り、山の幸、川の幸を取りに歩きまわる。
山村で生きるジジババは元気だ。そして明るい!
人間の根源に触れ、生きるということをさせられる。
やがて大好きな徳山村を離れなくてはいけない時が来る。
そして一人また一人とあの世へ旅立っていく・・・。
人間の幸せってなんなのだろうか?
ジジババの言葉が印象に残った。
著者が村人に初めて紹介された時
「その兄さんは誰じゃったな?」
「ええ兄ちゃんやぞ」
「そうか、ええ人か」 (それで僕の紹介は終わってしまった)
「わしら結婚して五十年にもなってまった。だいたい予想しとった人生やなあ」