ちょっと前まで教養新書(ノベルスを除く)と言えば、
老舗の岩波新書、中公新書、講談社現代新書、そして自然科学系の
それが今やAmazonで分類されているものだけでも31種類 !
内容は正直、玉石混交だ。
後発ながら、新潮、文春、朝日、集英社、光文社、筑摩書房はさすがに、
質が高いが、その他有象無象は・・・・・。
教養新書の分量は、ワンテーマを軽く読むのに便利。
価格もハードカバー、B6版に比べてお手頃だ。
最近は、テーマも細分化、マニアック化されて、
毎月書店で各社の新刊のラインナップを見るのが楽しみだ。
この本は、「天下の台所」「町人の都」と言われた江戸時代の
大坂に武士(侍)が何人いたかを検証した本。
こういう歴史上のマニアック&ニッチなテーマが
嬉しくて、ついつい喰いついてしまう。
- 作者: 藪田貫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2010/10
- メディア: 新書
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江戸は人口約100万人のうち、武士は、将軍家、大名、旗本、御家人と
それらの家族が約50万人。
それに対して大坂は、人口約60万〜70万人のうち、武士は
・大坂城代(将軍の名代として派遣される大名)
・定番、加番、大番(大坂城守備部隊として赴任する旗本、御家人)
・東町奉行、西町奉行、その他奉行、代官、与力・同心(江戸より赴任)
・現地の与力・同心(大坂在住)
・各大名の蔵屋敷役人(各藩より赴任)
・臨時採用の武士(大坂在住)
合計で約8000人。武士の占有が1%から2%。
江戸の50%は別格としても、城下町の平均武士率は10%なので、町人比率が非常に高い。
「お上」(支配階級)の少なさが、アンチ東京(国家)的な大坂気質の
DNAに連なるのだろうか・・・。