Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

武士の町 大坂

ちょっと前まで教養新書(ノベルスを除く)と言えば、

老舗の岩波新書中公新書講談社現代新書、そして自然科学系の

講談社ブルーバックスだけだった気がする。


それが今やAmazonで分類されているものだけでも31種類 !

内容は正直、玉石混交だ。

後発ながら、新潮、文春、朝日、集英社、光文社、筑摩書房はさすがに、

質が高いが、その他有象無象は・・・・・。



だから、新書を読みなさい   だから、新書を読みなさい


教養新書の分量は、ワンテーマを軽く読むのに便利。

価格もハードカバー、B6版に比べてお手頃だ。

最近は、テーマも細分化、マニアック化されて、

毎月書店で各社の新刊のラインナップを見るのが楽しみだ。



この本は、「天下の台所」「町人の都」と言われた江戸時代の

大坂に武士(侍)が何人いたかを検証した本。

こういう歴史上のマニアック&ニッチなテーマが

嬉しくて、ついつい喰いついてしまう。



武士の町大坂―「天下の台所」の侍たち (中公新書)

武士の町大坂―「天下の台所」の侍たち (中公新書)


江戸は人口約100万人のうち、武士は、将軍家、大名、旗本、御家人

それらの家族が約50万人。


それに対して大坂は、人口約60万〜70万人のうち、武士は


  ・大坂城代(将軍の名代として派遣される大名)

  ・定番、加番、大番(大坂城守備部隊として赴任する旗本、御家人

  ・東町奉行、西町奉行、その他奉行、代官、与力・同心(江戸より赴任)

  ・現地の与力・同心(大坂在住)

  ・各大名の蔵屋敷役人(各藩より赴任)

  ・臨時採用の武士(大坂在住)


合計で約8000人。武士の占有が1%から2%。

江戸の50%は別格としても、城下町の平均武士率は10%なので、町人比率が非常に高い。

「お上」(支配階級)の少なさが、アンチ東京(国家)的な大坂気質の

DNAに連なるのだろうか・・・。