Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

新選組三番隊長 斎藤一

作家・浅田次郎新選組3部作が完結した。

というか、完結したらしい。(私は読んでいないので)


壬生義士伝」「輪違屋糸里」に続く完結編は、時代が明治から

大正に変わる中で、70歳になった元新選組三番隊長”斎藤一”が

若き剣士(近衛師団の中尉)に幕末から西南戦争に至る自らの体験を伝える。



一刀斎夢録 上  一刀斎夢録 下

一刀斎夢録 上  一刀斎夢録 下


斎藤一は、無口で偏屈でニヒルな剣豪であり、剣にも表れているように

合理的なものの考えをする人だったようだ。イメージでは

大河ドラマ新選組!」でオダギリジョーが演じた斎藤一が印象に残る。




斎藤一の生涯は激動だった。

御家人の二男に生まれ、10代で口論相手の旗本を殺害し、

身を隠すため京都の剣術道場に身を寄せ、実力を買われて師範代となった。


その後新選組に入隊し、沖田総司よりも若い最年少の幹部となった。

隊内では、沖田総司永倉新八と並ぶ最強の剣士だった。

戊辰戦争では鳥羽伏見から会津まで転戦、会津藩とともに降伏する。


その後、東京警視庁の警察官に応募し、西南戦争では抜刀隊に志願し、

負傷しながらも大戦果を上げ政府より表彰を受けた。

その後、東京高等師範学校、東京女子高等師範学校の撃剣部の師範を務め、

大正4年に72歳で亡くなった。


幕末から明治、大正の激動を生きた斎藤一は、若い近衛中尉に

何を伝えたのであろうか?


ちょっと気になる新刊である。