Makotsu Garage

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負けて、なお  大鳥圭介

中公新書の幕末シリーズ、今回は大鳥圭介

幕末好きな人でも、なかなか知らない人が多いか・・・。

大鳥圭介―幕府歩兵奉行、連戦連敗の勝者 (中公新書)  大鳥圭介―幕府歩兵奉行、連戦連敗の勝者 (中公新書)


播磨に生まれ、蘭学、洋学を学び、幕臣に取り立てられ、

近代的な兵制改革中の幕府歩兵奉行として、陸軍の指揮をまかされた。

戊辰戦争では、フランス人教官の訓練を受けた、最新装備の精鋭部隊

伝習隊を率いて江戸を脱走し、宇都宮、日光、会津箱館五稜郭

まで転戦した”最後のサムライ”。


  幕府歩兵 かな ?


しかし、戦(いくさ)は滅法弱かった。

戊辰戦争では連戦連敗だった(ここが土方歳三との大きな違い)。

五稜郭で降伏した後は、2年間牢獄に入れられる。

・・・しかし、大鳥は終わらなかった。


語学能力、洋学知識を明治政府に買われ、岩倉遣欧米使節団に参加。

その後は工部大学校校長、学習院院長、日清戦争時の清国特命全権大使

枢密顧問官を務め、男爵となった。


幕府に殉じて五稜郭まで戦ったが、その後明治政府の高官と

なるのは、榎本武陽と同じ。

功績は立派だが、歴史上の登場人物としては、

幕府に殉じ滅んでいった新撰組会津藩に比べて霞んでしまう。

なので書物やドラマ、映画になり難い。


唯一、三谷幸喜の"新撰組!! 土方歳三最期の一日"

吹越満が滑稽な役として演じていた。


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「いっ! おおとり けいすけ でございます。」 「ぼてちん」


 でお馴染み、鳳啓助 師匠は、同姓同名だけど、全く別人です。