大部分が文庫だが、全点が平積みになると壮観だ。
昔、かなり読んでいるが、改めて手に取るとまた読んでみたくなった。
この話は、志摩国大王崎で起こった”波切騒動”のことを書いている。
天保元年、大王崎の沖で幕府の御用米を積んだ千石船が難破した。
この難破は船頭達による船荷(御用米)横領の偽装難破であった。
船頭達は、紀伊半島の各地で御用米を売りさばき、
残った米ともども船を大王崎沖で難破させ、艀で脱出した。
やがて船頭達は、偽造難破が発覚し幕府に捕えられた。
しかし、売り捌いた御用米の量と積んでいた米の量に大きな差があった。
残りの米は、志摩国波切村の漁民たちが奪い、村ぐるみで隠蔽していた。
その事実は幕府の知るところとなり、村に幕府の役人が派遣される。
様々な偶然が重なり、村人は役人を殺害してしまう。
(この殺害は諸説あり、過失致死とも言われる)
その後、村には幕府と鳥羽藩によって
想像を絶する災厄が襲いかかった・・・。