この本は少し前に何新聞だったかの書評に取り上げられた。
確か数年前にテレビドラマで見たのを思い出した。
「最後の赤紙配達人」(TBS) 2009年8月10日放送
ドラマや映画で見る 赤紙って? 召集令状って? 誰が作成するの? どうゆうシステムなの?
知って驚愕した!
国家と言うものは、かくも恐るべき戦争システムを稼働させるのか・・・。
- 作者: 吉田敏浩
- 出版社/メーカー: 彩流社
- 発売日: 2011/08/01
- メディア: 単行本
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本書は、滋賀県東浅井郡大郷村役場で兵事係をしていた西邑仁平さんが
終戦時の資料焼却命令に背いて密かに兵事書類を保管していた。
「兵事資料は、戦史者を出した多くの家族に関わる大事な書類なのです。だからこれを処分して
しまったら、戦争に征かれた人の労苦や功績が無になってしまう、遺族の方にも申し訳ない」
この貴重な資料から精緻な徴兵システムの全貌が垣間見れる。
一例を見ると
・昭和七年二月二日 :第九師団の出動が閣議決定。
・ 同日夕方 :勅命の動員令が発せられる。
・ 同日夕方 :勅令が第九師団(金沢)に伝達。
・ 翌日午前三時 :滋賀県東浅井郡大郷村の応召員一人一人に赤紙が届く。
閣議決定から24時間以内に応召員は、出頭場所、時間の書かれた召集令状を受け取り
その35時間後には招集部隊の兵営の門をくぐらなければならなかった。
そして10日後には銃火の飛び交う戦場に送られた。
これらは膨大かつ緻密な兵事書類(個人情報)の集積に基づいて、用意周到に築かれた
動員・召集システムが、天皇から兵事係まで、正確・迅速に機能した結果だった。
- 作者: 小沢真人,NHK取材班
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 1997/07
- メディア: 単行本
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こんな証言がある。
「明けても暮れても在郷軍人名簿の整理と、動員名簿の作成と要員の把握に追われていた」
兵役対象者(在郷軍人)の個人情報(健康状態、居住地、家族構成、職業、特殊技能ほか)を
リアルタイムでメンテナンスしていたのだ。
そして地域ごとの召集人数が決まると、与えられた召集条件を満たす人間を
特集技能や徴集年度(年齢)を参考に氏名を名簿よりピックアップし赤紙を作成する・・・。
本籍地に不在で徴兵検査を受ない人間については、全国の関連警察署に捜査依頼が出され、
徹底的に身元を探しだされる。逃げ隠れは不可能だ。
国家という歯車が動きだすと、誰も止められないのか・・・。
我々は国家が誤った動きを始める前に止めなければ!