この本は面白かった。
日本映画界の「昔」と「今」を隔てる境界線は1973年だと著者は言う。
その年に公開された東映映画は「仁義なき戦い」、東宝は「日本沈没」。
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2003/09/25
- メディア: DVD
- クリック: 92回
- この商品を含むブログ (146件) を見る
そして映画界斜陽期に繰り広げられた、東映”岡田茂”と東宝”藤本真澄”の
勝者のないサバイバル戦争・・・。
そこで迎えた1973年。東映は深作欣二「仁義なき戦い」がスタートし、
東宝は日本映画史上初の配収二十億円を超えた超大作「日本沈没」。
昔から1950年代〜60年代は、日本映画黄金期とは聞いていたが
私の年齢では何がどうだったのか、作品以外では知る由もなかった。
まして、このような日本映画産業史までは・・・。
仁義なき日本沈没―東宝VS.東映の戦後サバイバル (新潮新書)
- 作者: 春日太一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/03/01
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 18回
- この商品を含むブログを見る
この本を読んだら、2011年5月のラジオでの高田文夫先生の話を思いだした。
「昨日さ、銀座プランタンの前を通ったら、黒い服の人間がズらーっと並んでんだよ、
何なのかなと思ったら、岡田(茂)さんの柩が告別式の後、東映本社の前を通ったんだ。
全員が一列に並んで最敬礼する光景は、凄かったな。一時代を作った人だからな」
あと、黒澤明「椿三十郎」のクライマックスシーンがまた観たくなった。