フランスが軍事介入したマリ、人質事件の発生してるアルジェリア南部の国境線は、
不自然なほど幾何学的。これぞ現地民にはお構いなく縄張り争いを行った植民地分割の痕跡。
この奇妙な国境線を取り扱った名著「世界飛び地大全」の著者吉田一朗が、700ページの
大作を上梓した。地図マニアの小生は頑張って読了。
- 作者: 吉田一郎
- 出版社/メーカー: 社会評論社
- 発売日: 2012/11
- メディア: 単行本
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本書は、第二次大戦以降に消滅した183カ国の歴史・経緯を詳細に取り上げる。
その内容は、東西冷戦で生まれた国、インドの藩王国、アラビア半島の首長国・土侯国、
ソ連崩壊・ソマリア崩壊で生まれた国、保護国・準独立国、南アフリカのホームランド、いわゆる傀儡国、等々。
それらは怪しく、儚く、どこかマヌケである。
ソ連、南ベトナム、東ドイツ、チェコスロバキア、ユーゴスラビア・・・
もはや歴史の1ページ。いまの若い奴は知らんないんだろうな。
著者渾身の作品だけあって、それぞれの国の記述が非常に詳細。
読了までにまなりの労力が必要だった。
読後感は”国家ってなんだ?”ってこと。
国家観はかなりアバウトでいい加減である。
(その国民はいい迷惑だ)
著者のサイト「世界飛び地領土研究会」