Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

キャパの十字架  沢木耕太郎

2月3日に放送されたNHKスペシャル

沢木耕太郎 推理ドキュメント 運命の一枚 〜戦場最大の謎にせまる」は

圧倒された・・・。これぞ骨太のルポルタージュだ。

この沢木耕太郎の作品は文藝春秋創刊90周年記念号(2013年1月号)に

「キャパの十字架」として掲載され、単行本も発売された。


キャパの十字架

キャパの十字架


ロバート・キャパ出世作とされる「崩れ落ちる兵士」


スペイン内戦の時に共和国軍兵士が反乱軍の銃弾に当たり、

今まさに倒れるという瞬間をとらえた衝撃的な写真。

アメリカの雑誌 LIFE に掲載されて、キャパを一躍有名にした作品であるが、

長年その真偽が疑われていて、 今でも論争になっている写真でもある。


   崩れ落ちる兵士


この写真はいつ、どのように撮られたのか? 兵士は誰なのか?

その疑問を解くために、沢木耕太郎は、スペインの現地に足を運び、多くの生存者、関係者に会った。

そして物理学と光学からのアプローチにより、ついにその真相を紐解いた・・・。


・撮影場所とされる”エスペホ”という場所で、当時戦闘は行われていなかった。

・このアングルは弾が飛んでくる方向に、背中を向けて撮らなければならない。

・撮影されたカメラはライカではなく、ローライフレックスであった。

・キャパ自身がこの写真について語りたがらなかった・・・

 
 この写真はやらせなのか? 沢木耕太郎の答えはノーだ。

 ではこの写真は一体なんなのだろう・・・ キャパとはどういう人物なのか?

 
興味のある方は、NHKの再放送(いつあるのか不明)を見ることと、

本書「キャパの十字架」をオススメします。

 

ちょっとピンぼけ (文春文庫)

ちょっとピンぼけ (文春文庫)