Makotsu Garage

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八重の桜 八月の動乱

大河ドラマ「八重の桜」いいね〜!

会津藩主”松平容保”役の綾野剛、”山本覚馬”役の西島秀俊の凛とした演技が光る。

藩祖が残した会津家訓十五箇条に従い、会津藩を悲劇に導くことを承知しながらも、

京都守護職を拝命する壮絶な覚悟が、松平容保以下の会津藩士から滲み出でいる。


本日の第九回放送は、八月十八日の政変

会津藩孝明天皇の絶大な信頼を得ていた時だ。

この後、池田屋事件禁門の変薩長同盟孝明天皇崩御大政奉還、鳥羽伏見〜戊辰戦争へと

時代の歯車は、悲劇の坂を下りだしていく・・・。


幕末の会津藩―運命を決めた上洛 (中公新書)

幕末の会津藩―運命を決めた上洛 (中公新書)


八月十八日の政変は、歴史の教科書では一行だけの表記だが、

詳細を知れば知るほど、権謀術数に満ちた軍事クーデターということが分かる。


会津藩薩摩藩を中心とした公武合体派は、中川宮朝彦親王を擁して

朝廷における尊攘派長州藩と若手過激派公卿)を一掃するクーデター計画を画策した。


当日の出来事を24(トゥエンティーフォー)ばりに追ってみると

  ・午前一時:中川宮が参内。京都守護職会津藩京都所司代の淀藩の藩兵が御所に
        入り、すべての門を封鎖する。ついで公武合体派の前関白の近衛忠煕
        右大臣の二条斉敬内大臣徳大寺公純が召命で参内。薩摩藩兵が
        御所の堺町御門(長州藩兵の持ち場)の守備につく。  
  ・午前四時:御所9つの門の警備完了を告げる号砲が鳴り、在京諸藩が召命され、
        朝議で下記の内容が次々と決められた。
         ・過激派公卿20余名の参内・他行・面会の禁止
         ・長州藩の堺町御門警備罷免と退京
         ・天皇の大和行幸延期      
  ・    :事態に気づいた長州藩尊攘派公卿は関白の鷹司輔煕邸に集結。  
  ・午前十時:鷹司関白が参内。朝議をひっくり返そうとするが、結果は変わらなかった

  ・    :終日、御所の門前で長州藩兵と薩摩、会津、諸藩の藩兵がにらみ合いを続ける

  ・翌十九日長州藩三条実美ら公家7人とともに、長州へと下った(七卿落ち)。


まさに軍事クーデターだ。

八月十八日政変での会津側の中心人物、会津藩公用方「秋月悌次郎」(北村有起哉)も

大河ドラマ「八重の桜」ではしっかり描かれている点が素晴らしい!