Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

本田が、すべてを救ったのだ。 金子達仁

金子達仁さんの文章はいい! 私は大好きだ。

ワールドカップ最終予選オーストラリア戦を語る。

本田以外は世界から遠ざかった

たった1人の男が、すべてを変えた。救った。

積み上げてきたものすべてが木っ端微塵(こっぱみじん)になりそうな危機を、

歓喜の宴(うたげ)へと転生させてみせた。


金子達仁さんは、我々が思っていること感じていることを

非常に的確な文章で示してくれる。

それは本田がPKで蹴った”ど真ん中”へのインステップキックのように。

本田のPKはあまりにも劇的だった。

終了の笛とともに込み上げてきた安堵(あんど)感には途方もないものがあった。

目標がW杯出場にあるのであれば、いつまでも浸っていていい。

岡野のVゴールを見た日本人が、その後数カ月間そうしていたように――。

W杯出場を勝ち取った選手たちには、心から祝福の言葉を贈りたい。

ただ、世界の頂点からはいささか、いや、ずいぶんと遠ざかった感がある。

だからなのだろう。

いまのわたしには、安堵感はあっても、高揚感がほとんどないのだ。


不器用なもんで。

不器用なもんで。