モンゴルと満州(中国東北部)にあるノモンハンはいわゆる辺境である。
20世紀初頭まではともに清朝支配下にあり、国境という概念は存在
やがてモンゴルがソ連の衛星国となり、
ノモンハン事件(1939年)という名称は、極東の辺境で起こった
国境紛争のように思えるが、
日ソ両軍の限定された中でのガチンコの戦争だった。
ソ連軍は指揮官に後に独ソ戦を勝利に導き、ソ連邦英雄・元帥となる
ジューコフを派遣し、大軍を投入した。
日本軍の損害 戦死 8,440、戦傷 8,864。
参加兵力の32.2%が失われ、特に第23師団は79.0%の損失
ソ連軍の損失 戦死 9,703 戦傷 15,952
- 作者: スチュアート・D・ゴールドマン,麻田雅文(解説),山岡由美
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2013/12/26
- メディア: 単行本
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数多のノモンハン事件の関連書を読んでいるが
本書は、まことに読みやすい。
あっという間に7割読了した。
読みやすさの原因は、コンテンツの構成にある。
第二次大戦直前の複雑怪奇な国際情勢から、
ノモンハン事件の発生を記す。単なる戦史・戦記ではない。
単なる国境紛争ではなかった・・・・・
第二次世界大戦の知られざる始点であり、
ある意味、前哨戦、威嚇戦、腕試しであった。