本日の朝日新聞書評欄で一番注目したのが
この写真集。映画のワンシーンと見違うばかりの
圧倒的迫力ある写真に目が釘付けとなった。
- 作者: 渡部雄吉,構成と文乙一,AD:祖父江慎
- 出版社/メーカー: ナナロク社
- 発売日: 2014/11/14
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (8件) を見る
本書は、写真家 渡部雄吉が、昭和33年(1958年)に茨城県水戸で発生した
バラバラ殺人事件の捜査にあたる刑事に密着し、撮影したシリーズ作品。
警視庁捜査1課の刑事と、事件発生現場を管轄する茨城県警から
派遣された若い刑事。
戦後の空気が色濃く残る昭和の町並みを背景に、ハンチング帽を被り
ロングコートを羽織って張り込み・聞き込みをする姿は、
まさに黒澤明の「野犬」「天国と地獄」であり、松本清張の「点と線」の
ワンシーンのような迫力。
こちらはフランス版。
Watabe Yukichi: A Criminal Investigation
- 作者: Watabe Yukichi
- 出版社/メーカー: Xavier Barral Editions
- 発売日: 2012/06/30
- メディア: ハードカバー
- クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る
この作品の誕生も大変興味深い。
「張り込み日記」は、撮影された年に雑誌で発表されましたが、
それ以降、大きく取り上げられる機会はなく、まさに知る人ぞ知るといった作品でした。
2006年にイギリスの古書のディーラーが、神保町で120枚にものぼるこの作品の
プリントを発見したことを切っ掛けとし、2011年にフランスから写真集が発売され、
世界中で評判になりました