世界が最も核戦争に近づいたとされるのが、
ミサイルの撤去に同意した10月28日までの「13日間」
全世界は核戦争の恐怖に怯えた。
「危機」の原因・経過・影響を簡潔・明快に記述する。
すごぶる簡潔・明快に! 非常に読みやすかった。
- 作者: デイヴィッド・A・ウェルチ,ドン・マントン,田所 昌幸,林 晟一
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2015/04/24
- メディア: 単行本
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第一章「危機の背景」では、こう説く。
三人の指導者(アメリカ:ケネディ大統領、ソ連:フルシチョフ議長、
キューバ:カストロ議長)は、三人とも勝手に自分の姿を相手に投影し、
相手も自分と同じように世界を見ているだとうと思い込み
(ミラー・イメージング)、自らの行動がいかなる結果を引き起こすか、
また相手がどう反応するかを読み誤った。つまり1962年の段階では相手の
立場に身を置いて考えようとする「共感」が不足していたのである。
(キューバ危機の途中より「共感」は生まれたが・・・)
- 作者: ロバート・ケネディ,毎日新聞社外信部
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2014/04/23
- メディア: 文庫
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ロバート・ケネディの「13日間ーキューバ危機回想録」がある。
本書にはこんなエピソードも載っていた。
1968年、民主党の大統領候補指名選挙に臨んでいた
ロバート・ケネディは「13日間」を上梓し、友人に感想を求めた。
友人「とても面白かったよ、ボビー。でも君のお兄さんも
キューバ危機の解決に何がしかの関係があると思っていたんだが」
(手柄独り占めかよ!という嫌味をこめて)
ロバート「でも、兄は今年の大統領選挙に出馬しませんからね」
まったく・・・ 政治家って奴は・・・ 懲りないね。