Makotsu Garage

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キューバ危機 ミラー・イメージングの罠

世界が最も核戦争に近づいたとされるのが、

1962年10月のキューバ危機

特にアメリカがキューバソ連のミサイル配備を発見した

1962年10月15日から、ソ連書記長フルシチョフ

ミサイルの撤去に同意した10月28日までの「13日間」

全世界は核戦争の恐怖に怯えた。


本書は、アメリカ、ソ連キューバ、ぞれぞれの立場から見た

「危機」の原因・経過・影響を簡潔・明快に記述する。

すごぶる簡潔・明快に! 非常に読みやすかった。


キューバ危機 - ミラー・イメージングの罠

キューバ危機 - ミラー・イメージングの罠


第一章「危機の背景」では、こう説く。

三人の指導者(アメリカ:ケネディ大統領ソ連フルシチョフ議長

キューバカストロ議長)は、三人とも勝手に自分の姿を相手に投影し、

相手も自分と同じように世界を見ているだとうと思い込み

(ミラー・イメージング)、自らの行動がいかなる結果を引き起こすか、

また相手がどう反応するかを読み誤った。つまり1962年の段階では相手の

立場に身を置いて考えようとする「共感」が不足していたのである。

キューバ危機の途中より「共感」は生まれたが・・・)




キューバ危機の有名な書としては、ケネディ大統領の弟

ロバート・ケネディの「13日間ーキューバ危機回想録」がある。

本書にはこんなエピソードも載っていた。


1968年、民主党の大統領候補指名選挙に臨んでいた

ロバート・ケネディは「13日間」を上梓し、友人に感想を求めた。

友人「とても面白かったよ、ボビー。でも君のお兄さんも

キューバ危機の解決に何がしかの関係があると思っていたんだが」

(手柄独り占めかよ!という嫌味をこめて)

ロバート「でも、兄は今年の大統領選挙に出馬しませんからね」


まったく・・・ 政治家って奴は・・・ 懲りないね。