Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

昭和最期の日 テレビ報道は何を伝えたか

新潮文庫の新刊。

これも戦後70年関連書に属するか。

昭和63年9月19日。前年より体調を悪くされ

手術を受け療養していらした昭和天皇

大量吐血された。

その日から昭和64年1月7日に崩御されるまでの

111日間、テレビ(マスコミ)は何を見聞きし

何を伝えてきたのか・・・


昭和最後の日: テレビ報道は何を伝えたか (新潮文庫)

昭和最後の日: テレビ報道は何を伝えたか (新潮文庫)


これは日本テレビ報道局の111日間の密着ドキュメントである。

すでに平成になって26年。昭和最期の日については

多くの書物が出ているので本書で新たな発見はなかった。

当時、病状報道を巡っては公人としての天皇と、

患者、人間としての天皇の間で政府・宮内庁

報道機関が未経験の報道を実施していった

過程が大変生々しく綴られている。


我々世代が初めて体験した歴史の節目は、

テレビによって体験させられたと言っても過言ではない。

世の自粛ムード、歌舞音曲の制限、三種の神器の継承 

CMなし3日間の追悼番組、大喪の礼即位の礼大嘗祭・・・

まさに歴史の一頁を体験したのだった。