Makotsu Garage

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工藤公康、17万通の手紙

日本シリーズソフトバンクとヤクルトの争いと決まった。

ソフトバンク工藤公康監督は今年、16年ぶりに福岡に戻った。

福岡と工藤にはこんなエピソードがあった。



95年、工藤は常勝西武から福岡ダイエーホークスに移籍する。

99年、ダイエー日本シリーズで中日を破り初の日本一になった。

王監督を胴上げし、工藤自身もシリーズMVPとなった。

シーズンオフ、ダイエー球団側は、日本一の功労者工藤に対し、

あまりに誠意を欠いた契約交渉を行った。

結果、工藤はFA宣言し巨人へ移籍した。

それを知ったホークスファンは「ホークスに残って」と

17万3千人が署名活動を行い、嘆願書を工藤に渡した。



その後、署名したファンの元に

工藤自身から住所と宛名が直筆のハガキが届いた。

ハガキにはこう書いてあった。

マウンドで投げる47の後にいつもあなたの声援があったこと、 この5年間に感謝を込めてありがとうございます


のちに工藤は真相と心境を告白した。

当時、ダイエーファンに直接、何の話もできなかった。

署名に参加したファン全員に手紙を送り、感謝の気持ちを表した。

住所と宛名はすべて手書き。全員に手紙を送るのには約7年間かかった。

巨人ファンのことを想い、手紙のことは公言しなかった。


16年ぶりに古巣に指揮官として戻った工藤公康は、

ようやく本当の意味での恩返しができるのだ。