放送50周年「笑点」特別記念展を見に行く。
笑点は、立川談志がテレビ局に企画を
持ち込んだ番組「金曜夜席」を受け継ぐ
形で1966年に始まった。
初代の司会者も談志だった。
談志は著書「現代落語論」の中で、
古典落語の現状に危機感を述べていた。
「このまま行くと落語が能や狂言と
同じ道を辿るのは確かなようである」
現代と大衆と古典をつなぎ合わせる落語家が
いなければ落語は、必ずダメになる。
談志はテレビというメディアに注目した。
テレビ向きに大喜利を取り入れ、出演者に
キャラクターづけをおこない、着物の色と
相まって出演者の個性が際立った。
「笑点」の人気も定着してきた。
だがここで暗雲が立ちこめる・・・
談志のブラックジョーク路線への
反発から1969年㋂に初期メンバー全員
(歌丸、小円遊ほか)が降板してしまった。
このメンバー交代を境に視聴率は急激に下がり
責任を取って談志は降板した。
その後、旧メンバーが復帰。司会者も
前田武彦を経て三波伸介、円楽、歌丸と
変わりながらも、現在に至る国民的番組
「笑点」の形が出来上がった。
このような変遷を経てこそ
「円楽は、"談志が『笑点』でアピールしていたのは
化学薬品だった。これは即効性はあるけど長続きしない。
私は『笑点』を漢方薬のような番組にしたい"
というようなことを宣言し ました」
(演芸評論家の唐沢俊一氏)
永遠のマンネリと言われつつも
高視聴率をたたき出す国民的番組「笑点」。
「笑点」は今、激変期に差し掛かっている。
歌丸さんの後の司会候補として名前が
あがってるのは、ビートたけし、タモリ、
西田敏行、萩本欽一、円楽、太田光・・・
新メンバー候補として立川志の輔も。
「NHKのど自慢」的な安定感も必要だが、
談志の創業精神に立ち返り、そろそろ
ちょっとした化学反応も必要なのではないだろうか?
そういう意味ではタモさんがバランス的に
最高な人選だと思うが・・・
きっと本人はやらないだろうな。
「笑点」に関してはこの書籍がコンプリート。
もちろん高田文夫先生監修。