山田風太郎「人間臨終図巻」の衣鉢を
継ぐ新たな「人間晩年図鑑」の続刊が
早くも発刊された。
今回は1995年から1999年。
この期間に亡くなった方は、
山田康雄、横山やすし、司馬遼太郎、
フランキ―堺、渥美清、訒小平、勝新太郎、
伊丹十三、ポル・ポト、村山実、萬屋錦之助、
スタンリー・キューブリック、三船敏郎・・・
90年代って感覚としては
つい最近のことだな・・・
- 作者: 関川夏央
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2016/06/29
- メディア: 単行本
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三船敏郎の項のタイトルは
「几帳面な乱暴者の生涯」
(以下、本書より)
東宝砧撮影所正面左側の白壁には
「七人の侍」の巨大な壁画がある。
百姓に白米の食い扶持だけで雇われたち
七人の侍が、峠から自分たちが守るべき村を
はじめて見下ろすシーンで、その中心にいるのは
三船敏郎である。
風に吹かれた七人が見下ろしているのは、
実は村ではなかった。貧しいが、希望と活気に
満ちた1954年の日本であった。
この壁画を見るたび、映画の中では老いることの
ない彼らの栄光を思い、ひるがえって、容赦なく
人を老いさせる実人生の無常を思うのである。