先日の「つかこいへい正伝」イベントで
上映された秘蔵映像には本当に驚いた!
ネットで調べてもヒットしないので
詳細は不明だが、1978年に六本木俳優座劇場で上演した
「出発」をテレビ用に演出を修正し公演直前に放送したもの。
サントリー1社提供で昼間に放送されたらいい。
- 作者: つかこうへい,芹澤邦雄
- 出版社/メーカー: トレンドシェア
- 発売日: 2010/07/29
- メディア: 単行本
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キャストは加藤、風間、平田、井上、高野
そして田中邦衛ほか俳優座の面々が出演。
岩間多佳子さんも役者で出演してた。
オープニングは白塗り顔の高野さんが
あの勢いで”いつもの予告編”
つか芝居には珍しく舞台には茶の間のセットがある。
加藤健一の登場は茶の間の壁が割れて大きな船が登場。
その穂先で三波春夫ばりの着物姿で歌を唸る。
長谷川さん曰く「このシーンは毎回全くウケなかった」
テレビ用の演出はあらゆるところに仕掛けられており
非常に興味深く面白い。さすが”つかさんだな〜”
(スポンサーへの気配りは天下一品)
・意地悪ばあさん風の平田満が登場し、岩間さん
との芝居の中でサントリーの商品名を説明する。
(リザーブ、オールド、VSOP、純生、トリス・・・)
・嫁役の井上加奈子が妊娠を告げたところで、絶句する
風間杜夫がカメラに向かい「コマーシャル行ってみよう!」
と叫んでCMが入る。
・出番を終え袖にはけた加藤健一を移動カメラが追い楽屋へ
楽屋はサントリーホワイトのビンで埋め尽くされて、高野さんが
「お疲れさま」と酒を注いで、「うまい!」と二人で盛り上がるなど、
・独白の長台詞を終えて奈落にはけてきた田中邦衛を、
カメラが待ち構えており、奈落で平田満と煙草を一服つける。
そこで芝居の出来を淡々と振り返る。最後に田中自身が、
「父親ってのは、寂しく、哀しいもんだ」と芝居のテーマを語る。
まさに目からウロコ。
テレビの可能性ってまだまだあるんだなー と感心する。
これ以降、つかこうへい事務所と東京12チャンネルの
[ディレクター]不破敏之の付き合は続き、
1982年大晦日特番『つか版・忠臣蔵』(テレビ東京)に繋がった。