Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

「しょーちゃん」のこと

先週13日の新年会で

「しょーちゃん元気かな?」

「しょーちゃんに会いたいね〜」と

話をしていた矢先の訃報だった。


「しょーちゃん」は高校の同級生で、

大学の演劇サークルの先輩だった。

2016年7月31日に逝去。



私の高校は大学の付属校。

エスカレーター式に進学するには

優先入試を受けねばならず、

その場合は他大学と併願できない。

高校三年時、私は迷わず他大学を志望し、

付属大学には進学しない道を選んだ。


結局、一年の浪人の後に受かったのは

付属の大学のみ。(つまり出戻り)

雪辱すべく二浪も考えたが、不本意ながら

一旦入学し、他大学へ編入、再受験を

考えることにした。




大学の入学式当日、高校時代の同級生が

二年生として新入生をサークルに勧誘している。

私が元同級生に声をかけても

「何、新入生にもぐりこんでんだよ?」

と全く相手にされなかった。

「もう帰ろう・・・」

学校を去るべく校門まで来た時に、

眼光鋭く強面の「しょーちゃん」に会った。



「実は、児童演劇やってんだよ。部室に来ない?」

何の当てもなかった私は「しょーちゃん」に

連れられて部室に行き、屋上で先輩の演じる

狂言を見せられた。


狂言を見た感想は

「こりゃヤバイ、早く逃げ出さないと!」

全身から血の気の引く思いだった・・・

結局この日は逃げることができず、

飲みに連れてかれてしまった。



この後、卒業までの5年間、

「児演」にお世話になることになる。

「他大学編入 」の夢はその日に雲散霧消し、

ひたすら芝居漬けの日々が始まった。

同級生の「しょーちゃん」は、

先輩「しょーすけさん」に変わった。


「しょーすけさん」は純粋で一途で頑固。

我々の年代とは芝居活動、子供会活動を巡って、

よく喧嘩した。お互い本気の大喧嘩だった(笑)。


振り返れば、「児演」で得た芝居、先輩、

同期、後輩との出会いや、この時の様々な経験で

現在の自分が出来ている。

入学式で「しょーちゃん」と会ったことが

その後の人生を大きく変えたと言っても

過言ではない。



そんな感謝を言う機会もなく

「しょーちゃん」は逝ってしまった。

大変残念であり、大いに悔いが残る。

さぞかし本人も無念であろう。


せめてブログで感謝の気持ちを記し、

追悼とさせて頂きたい。


「しょーちゃん」
「しょーすけさん」
ありがとうございました。
安らかにお眠りください。


合掌


ブンナよ、木からおりてこい (新潮文庫)

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そういえば、「しょーちゃん」は

青年座とプロレスがすきだったな〜