Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

よく開くドア(志の輔らくご)

2017年を振り返るシリーズ。


6月にGINZA SIXで聞いた志の輔さんの

マクラがずっと頭に残っている。

富良野の落語会で
倉本聰さんから
志の輔さんの高座は、ドアが
 よく開いたり閉まったりするね」
 と言われた。


能や演劇は舞台と客席の間に

”壁”がある芸能だけれど、

落語はマクラで”壁”にあるドアを開け

客席と一体となる演芸。(マクラが終わり

落語が始まると、そのドアは閉まる)


志の輔さんの高座は、

 落語が始まってもドアが開いたり

 閉まったりするね。

 それも絶妙のタイミングで。」


そういえば、志の輔さん自身も
「客席と緊張と緩和の繰り返しじゃないと
 噺は成り立たない」と語っていた。


9月に錚々たる師匠達が出演する落語会を

最前列の真ん中で聞くことができた。、


”壁”とドアの話が腑に落ちた。

志の輔さん以外はドアが開かなかった。
この違いは大きかった。



「男の隠れ家」2018年2月号の

志の輔師匠さんインタビューに

この話が載っている。


「第四の扉」と書いてあった。

「カミ」「シモ」「後ろ」の三つの扉に加え

「舞台と客席の間の第四の扉」と・・・。


またもやガッテンさせて頂きました。