1月13日の成人式。
まだ成人式は15日という感覚が残るが、第二月曜日に
変わったのは1999年。もう20年たつのだ。
還暦の先輩がfacebookで自分の成人式の記憶を紐解いて
いたので、真似をして30数年前の記憶を漁ってみる。
198*年1月15日。快晴。
当時の私は、大学で演劇に熱中しており地元の友人は
少なかった。年齢的にもこうゆう行事には斜に構える
年頃。あまり気乗りはしないが”顔だけ出すか”と
スーツを着て会場に向かう。 成人式の会場は
八王子市民会館(旧:キャパ1870人)。
会場に着くと新成人が出身中学別に集まっていた。
男はテクノカットにDCブランド全盛。女性は晴着がメイン。
やんちゃな軍団は「新選組か!」というような羽織袴の
いで立ちで肩で風を切っていた。
「八王子七中」 の看板の周りに懐かしい顔があった。
同級生たちと言葉を交わし、一緒に式に参加した。
式の内容は全く覚えていない。荒れてはいなかった。
お土産にネクタイ(織物の街八王子なので)や辞書を
もらった(と思う)。
聞けば夕方から中学の同窓会があるという。
残念ながら私は用事(後述)があり参加できない。
昼過ぎに式が終わり、いったん解散となった時に
隣にいたIS君が「夕方まで暇だから。行きつけのスナック
に行こうよ」と誘ってきた。私も暇なので男二人で
会場から少し離れた散田町のスナックに行った。
確か「セブン」という名のスナックだった。
カウンター5席のみの小さな路面のスナック(上記イメージ図)。
他にお客さんはいない。どうもママが我々のために店を
開けてくれたようだ。
ママとIS君、私の三人でビールで乾杯。成人祝いの宴となった。
といっても、そんなに盛り上がるわけでもなく夕方に散会。
IS君は同窓会に八王子の繁華街へ・・
私は芝居を観に新宿紀伊國屋劇場へ・・
その日に観た芝居は忘れもしない
「走れメルス~少女の唇からはダイナマイト!」
何十本と観た遊眠社の芝居の中でも、ベスト3に入る
傑作だった(あくまで個人的感想)。
いや~興奮した。
興奮が収まらず終演後に行った飲み屋でも
芝居の話に熱くなった。まだまだ語り足らず
最後は先輩の下宿に泊めてもらった。
(とうっすら記憶する)。
少女・芙蓉と、彼女を恋い慕うあまり下着泥棒を
繰り返してしまう少年スルメ(久留米のスルメ)
芙蓉が手にするのは、母の形見、白紙の青春歌集。(流れるのは「乙女のワルツ」伊藤咲子)
後々自分で芝居の演出をする際にも、この「走れメルス」の
影響が大きかった。自分の中でもかなりエポックな芝居だった。
長くいろいろあった一日(成人の日)だったが、
憶えてるのは「走れメルス」のことばかり。
大人への意識、両親への感謝などは希薄で
青臭く全力で突っ走っていた頃だった。
振り返れば、劇中に使われた「乙女のワルツ」と
少女・芙蓉の「青春歌集」・・
青春の真っただ中を全力疾走している中で
青春の儚さを感じた、成人の日でもあった。