Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

豊島園と 大貫卓也と わたしと

としまえん(豊島園)が2023年までに段階的に閉園し、

跡地にワーナーがハリー・ポッターのテーマパークが

出来ると発表され話題になっている。かくいう私も

青春の甘酸っぱい思い出がある遊園地だけでに寂しい。

 

と言いつつ「としまえん」でイメージするのは、

私が最もリスペクトする広告プランナー&アートディレクター

大貫卓也」さんの数々の作品(CM、ポスターほか)だ。

この新聞広告は「眼からウロコを落とされた広告」だった。

この後、広告批評から出ていた「大貫卓也全仕事」を

ボロボロになるまで読み続け、発想力、デザイン面で大いに

刺激を受け仕事のモチベーションにしていた。

この本は今も宝物として蔵書している。

  

大貫卓也全仕事 (広告批評の別冊 7)

大貫卓也全仕事 (広告批評の別冊 7)

 

 

としまえん閉園のニュースを聞き、あらためて

大貫卓也としまえん広告」のことをネットで調べてみた。

時は1986年。

ある日、(博報堂の)上司に「としまえんに行きたくなる広告を作れ。

と言われ、「目からウロコが落ちた」と開眼。

とにかく、「としまえん」に行きたくなる広告を考えた。

そして生まれたのがこの広告。

 

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 大貫さんは「としまえん」の広告で、

(それ以前はカッコいい広告を目指していたが)

そうか、広告は人を呼ぶという目的のためにあり、

 優秀な広告作品を作るためのものではないんだ」と言う

 当たり前のことに気づいたそうです。

 

そして文春オンラインでこう語っています。

その後、「プール冷えてます」がなぜこんなにもヒットしたのか

理由を細かく分析したことによって、広告コミュニケーションの本質が

はっきり見えました。目立つこと、新しいこと、簡単なこと、

シズルがあること、幸福なこと、企業カラーがあること、商品が動くこと。

そんな自分にとっての広告のルールが確立したんです。

これを全てクリアすれば必ず成功する。

 

大貫さんにとって「としまえん」の広告は、

大きな転機となった広告なのだそうです。

私が好きな作品は1990年の新聞広告史上最低の遊園地

他にも「サンタフェの扉」や「見ず知らずの外国人が

としまえんを推薦する」作品に大いにインスパイアされたものだ。

 

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歴代の「としまえん」広告は

こちらのギャラリーで見ることができます。

www.toshimaen.co.jp

 

久々に大貫卓也さんの作品に触れていたら 

この本が欲しくなった。

Advertising is  Takuya Onuki Advertising Works 1980-2010

Advertising is Takuya Onuki Advertising Works 1980-2010

  • 作者:大貫 卓也
  • 出版社/メーカー: グラフィック社
  • 発売日: 2017/11/24
  • メディア: 大型本
 


としまえん