友人Kさんから頂いた「お楽しみパック」の中の1冊。
「一発屋芸人列伝」の単行本。
文章力はなかなかのものだ。なぜか「新潮45」で読んだ
時よりも、今回単行本で読んだ方が格調高く流れるように
読むことができた。面白い本だった。
山田ルイ53世の文章は的確で格調高い。
そしてユーモアとペーソスがまぶされている。
例えば本書の目的をこう語る。
この連載の目的は、勿論傷の舐め合いなどではない。
そもそも我々の負った傷は、唾液程度で癒える軽傷でもない。
芸人たちのゲティスバーグ演説となれば幸いである。
様々な一発屋芸人の記述にも文才が溢れている。
”業”を背負った芸人を、筆者は他に知らない」
「HGは綺麗である!これに尽きる」
「コウメ大夫は、和製・・いや、”和風”フォレスト・ガンプなのだと」
「”肉眼視聴率”なるバロメーターがあれば、テツトモは間違いなく断トツの一位」
「ムーディー勝山、ロケバスの運転手になる」(バスジャック事件)
「何の悪戯か、神は同じ時代に二人の”全裸芸人”を世に遣わした」
そして最後はこう結ぶ。
「ルネッサーンス!!!」
フランス語で「再生」と「復活」を意味する言葉である。
掲げられた杯は、彼ら一発屋の復活の狼煙、再生の幕開けとなるだろう。
この格調高くユーモアとウィットに富んだ文章・・・
どこかでこんな文章を読んだことがあるぞ・・
そうだ!高田文夫先生の文章にどこか似ているんだ。
まあ高田先生の文章の方が、ライトで機知に富み
スピード感に溢れているけれど。