Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

黒沢明生誕110周年記念作品「ミュージカル 生きる」

大学で芝居を始めた時、H.K先輩から

黒沢明の作品は観とけよ」といわれ、名画座でかなり観たものだ。

その中でも「生きる」は特別な思いのある作品。

それを、やはりデビュー時から見続けていた宮本亜門が演出する。

もう観るしかないだろう!(値段は高いが・・)

 

www.ikiru-musical.com

f:id:Makotsu:20201022090015j:plain

 

日生劇場は久しぶり、5年振りぐらいだろうか。

そして生オーケストラでのミュージカルとなると

10年振りぐらいだろうか・・

いつ来ても趣のあるいい劇場だ。

先日テレ東「美の巨人」で特集されたばかり。

 

f:id:Makotsu:20201015121636j:plain

f:id:Makotsu:20201015121850j:plain

 

コロナ対策で約6割の入場としているので、ゆったりと観れる。

席は下手側2階席最前列。おー!オーケストラボックスを見下せる。

しかし、舞台を見るには手すりが邪魔だ・・・

 

主人公の渡辺勘治は市村正親鹿賀丈史ダブルキャスト

私が観た10月14日マチネは市村正親

 

f:id:Makotsu:20201022090033j:plain

 

感想・・・

なぜ「生きる」をミュージカルにしたんだろう?

黒沢明の「生きる」は、志村喬の顔芸ともいえる心理描写が

真骨頂だが、舞台では顔芸が効かない。ミュージカルにする

には重いストーリーだ。

その結果、ちょっとコミカルで、狂言回し的なストーリーテラー

(作家)が存在するミュージカルとなっている。

 

正直、これは映画「生きる」とは違う!というのが感想だ。

別物と考えないとこの舞台は楽しめない。

もちろんいい場面もある。主人公「渡辺勘治」が覚醒する

一幕ラストの歌。「山西惇」演じる助役。ラストシーンの

ブランコに乗ってのゴンドラの唄。は絶品だった。

しかし、違和感が大いに残る舞台だった。

  

youtu.be

 

爆笑問題の日曜サンデー宮本亜門がゲスト出演し

「生きる」の演出プランについて解説していた。

それも聞いても、なぜ「生きる」をミュージカルに?

という疑問は解決されなかった。

 

終演後はスタンディングオベーションだった。

この人たちは黒澤明「生きる」を観たことがあるのだろうか?

そんな疑問がふと頭の中をよぎった。

 

youtu.be

 

youtu.be