ある時は「電子書籍の取次」として大手出版社の取引高第一位。
ある時は「積極的なM&A」「様々な企業との業務提携」の
プレスリリースが業界紙を賑わす。
そして「LINEマンガ」のコンテンツ配信・管理を担い、電子図書館、
プリントオンデマンド、オーディオブック、プロモーション、編集・校正
まで・・・全く掴みどころがなく”鵺(ぬえ)”のように想えるのが
「株式会社メディアドゥ」だった。
タイミングよく、文化通信連続セミナー(2/3)が
「デジタルと紙の新たな出版モデル」(メディアドゥ副社長 新名COO)
だったのでZoomで受講する。
有料配信だったので内容のネタバレはできないが、電子書籍マーケットの
現状と今後・・・そして㈱メディアドゥのレゾンデートル(存在意義)。
非常によく理解でき、すべてが繋がった。
メディアドゥグループの存在目的
・Mission:著作物の健全なる創造サイクルの実現
・Vision:ひとつでも多くのコンテンツをひとりでも多くの人へ
↓
(具体的には)
A)面白くてためになるコンテンツを創る
B)コンテンツ流通を効率化する
メディアドゥグループの存在目的は、私の前職だった取次会社の
企業理念とほとんど同じだった。考えてみれば当たり前のことで
実現手段が紙の出版物か、電子書籍、コンテンツの世界かの違いだ。
しかし、この違いは非常に大きい。というかこの違いは致命的に
なりつつある。
セミナーのキーワードの一つがインプリント(事業)。
メディアドゥ、KADOKAWAは既にこの事業形態になりつつある。
インプリント事業で思い出したことがある。
手前味噌な話だが、今から10年前、前職(取次会社)の
創立60周年記念論文に応募した際に、こんな話を書いた覚えがある。
「紙の出版物の取次」から「紙と電子を含めたコンテンツの取次」
への迅速な脱却・・・というテーマの論文だった。
誰でも考え付くことは同じだな~。
発想は同じでもそれを実現できるか、できないかの違いは
とてつもなく大きい。その違いだよな・・・。
ちなみにその論文は、わりと自信作で佳作に選ばれた。
タイトルは
「中期経営計画 シュリーフェン・プラン 作戦計画書」。
各章立てには
・第一章:ブリッツ・クリーク(電撃作戦)
・第二章:エアランドバトル(空地作戦)
・第三章:ブラウ(青作戦)
と事業戦略・戦術に合わせて古今東西の軍事作戦名を冠した。
用紙も旧軍の作戦用のようなわら半紙で印刷し、朱色で
「軍極秘」「極秘」の印のような印刷も施した。
凝ったね~。佳作は賞金なしだったけど(笑)。