Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

軍都・東京の面影

佐藤可士和展を見に行った「国立新美術館」の敷地内に

不思議な建物が残されている。これがこの場所にあった

旧歩兵第三連隊兵舎」の一部である。

この兵舎は、関東大震災後の復興建築として建てられた

日本初の鉄筋コンクリ―ト造兵舎。二・二六事件

舞台にもなり歴史的・建築史的にも価値のある建物だった。

 

敗戦後は在日米軍が接収の後、東大生産技術研究所として

使われていたが、国立新美術館建設で解体が決まると保存再生に

関する要望が多くあがり、一部が保存されることとなった。

 

左側の建物が 旧歩兵第三連隊兵舎の一部(現:別館)

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旧歩兵第三連隊兵舎全景

昭和3年(1928年)竣工、RC造り地上3F地下1F

設計:第一師団経理部、施工:村松

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青い部分が、現在残されている部分。

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戦前は、国立新美術館の場所に歩兵第三連隊。至近の東京ミッドタウン

歩兵第一連隊。TBSの地に近衛歩兵第三連隊。神宮球場隣の国学院高校の地に

近衛歩兵第四連隊。北の丸公園に近衛歩兵第一、第二連隊と東京の中心部に

6個連隊もの兵力(最大18,000人)が駐屯していた。

東京は紛れもない日本一の軍都であった。 そして六本木は兵隊の街だった。

 

歩兵第三連隊は第一連隊とともに 、二・二六事件の決起部隊となった。

(写真は二・二六事件後、原隊に帰還する決起部隊)

 

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写真と地図でめぐる軍都・東京 (NHK出版新書)

写真と地図でめぐる軍都・東京 (NHK出版新書)

  • 作者:竹内 正浩
  • 発売日: 2015/04/10
  • メディア: 新書