釣り仲間の会社に檜枝岐村出身の新人が入社してきたそうだ。
檜枝岐村と言えば、我々のホームグランド「南会津」の更に奥地で
只見川の上流域になる。渓流釣りマニアにとっては憧れの場所だ。
村の人口は531人。日本一人口密度の低い市町村。
その新人から渓流釣りのポイントを聞き、是非、檜枝岐村に遠征しよう
という話が盛り上がる。考えただけでワクワクする。
漁協の管轄も異なる。移動距離も長くなるので釣りの時間と
移動時間のバランスが悪化する。などの理由から、
大物イワナが潜むと聞きながらも、その分水嶺を越えて檜枝岐方面に
足を踏み入れたことはなかった。
分水嶺を越えることは、我々にとって「ルビコン川」を渡るに等しい。
ついに「ルビコン川」を超える時が近づいた。
その先にはどんな光景が広がっているのだろうか? ワクワクする。
蘊蓄を一つ。
檜枝岐村には苗字がほぼ3つしかないそうだ。
NHK「ネーミングバラエティ日本人のおなまえっ!」で放送していたが
住民の苗字の大部分が「星」「平野」「橘」。いずれも落人の末裔から
続く苗字だそうだ。
・「星」:1200年前に権力闘争に敗れて都落ちした藤原氏の末裔。
・「平野」:源平の合戦に敗れた平家の落人が移り住んで名乗る。
・「橘」:戦国時代に落人となった楠氏が落ち延びて名乗った。
檜枝岐村は、一年の半分が雪で閉ざされるので人が隠れ住むには
適した場所だった。今でも「鯉のぼりをあげない。犬や鶏を飼わない」
という習慣が残っている。これは「人目を忍んで生活するための知恵」
だった。その他にも独自の風習がいろいろと残っているようだ。
なんとも神秘的な檜枝岐村だ。
釣りならずとも行ってみたい場所だ。