前々から楽しみにしていた写真集の刊行イベント に参加する。
下北沢の本屋B&Bで開催された配信イベント
「昭和から平成へ~東京タイムスリップツアー」
イベントは、著者(?)の写真家「善本喜一郎」さんと写真評論家
「飯沢耕太郎」さんのトークショー形式。 この写真集、舞台でもある
紀伊國屋書店新宿本店の週間ベストセラー第三位!(6/14)と売れている。
私も早々に入手した。
本書では
1984年・・昭和末期の活力に溢れる東京の風景と
2021年・・現在の同位置、同角度からの風景を並べて紹介、
東京という街の劇的な変化を感じることが出来る。
トークショーの冒頭、なぜこの写真が売れているか?と言う理由に
「ノスタルジック」の需要ではなく、若い人が50年前の風景をCoolと
捉え、一種の憧れを感じていることがある。我々世代も1980年代に
50年前の1930年代の風景に憧れていたように。
これには非常に納得する。私も1980年代に1930年代のモダニズム文化や
建築に憧れた憶えがある。「夜想」(ペヨトル工房)、「GS」(冬樹社)等、
当時の雑誌メディアも1930年代モダニズムをかなり特集をしていた。
「50年回帰説」は説得力がある。
善本喜一郎さんが1980年当時、大きな影響を受けたのが
アラーキーこと荒木経惟さん。このあたりも白夜書房の雑誌「写真時代」で
インスパイアされた私の記憶とシンクロする。
80年代は雑誌の時代だった・・・。
・「写真への旅」(現代カメラ新書)朝日ソノラマ だった。
本書の中の東京は「新宿」と「渋谷」が圧倒的に多い。当時の著者の
行動エリアがこの二カ所だったことがその理由だ。
ふり返ると1980年代から90年代前半にかけての、私の行動エリアも
圧倒的に「新宿」と「渋谷」だった。
・1982年~1986年 國學院大學通学(渋谷駅)
・1985年~1986年 アルバイト(新宿駅西口小田急地下売店)
・1986年 劇団四季キャッツシアター アルバイト(新宿駅南口)
・1988年~1991年 出版取次勤務(三省堂新宿店担当:小田急百貨店12F)
・1992年 出版取次勤務(三省堂渋谷店担当:東急文化会館5F)
約10年強、この二つのエリアが生活の中心だった。
(あとこれに下北沢と吉祥寺が加わる)
昼の街の風景はもとより、百軒店、中央街、センター街、思い出横丁、
東口駅前、新宿三丁目、ゴールデン街・・・夜の風景も思い出深い。
どの場所も気が付かぬ間に大きく変貌してしまった。
日常の中で変化を感じることは難しい。こうゆう写真こそが
時の流れを感じさせてくれる。それって大事だよな。
それにしても1980年代の東京は、ざらざらと手触り感があるな。
渋谷:芝居の稽古終わりに毎日「お疲れ様」をしていた歩道橋下の
通称「甘栗屋前」は、もはや跡形もない。
新宿:南口に残っていた闇市的風情も、いつのまにか跡形も無くなった。
まだまだ掲載できていない写真が沢山あるようなので、
是非、第二巻、第三巻の発行を希望します。