東京五輪サッカー3位決定戦。日本VSメキシコ。
1-3・・・悔しいが完敗だった。
53年振りの五輪サッカー銅メダル。アップデートの
チャンスは三度跳ね返された。考えてみると今回の3位決定戦は
因縁のシチュエーションであった。
日本サッカーが銅メダルを受賞した53年前のメキシコ五輪。
3位決定戦の相手は開催国のメキシコだった。つまり開催国が
銅メダルをかけて3位決定戦に臨むという点は、今回とまったく同様。
そして開催国が敗れるという点も同じになってしまった。
53年前。10万5千人満員のエスタディオ・アステカ・スタジアムで
ホームのメキシコは、0-2で日本に敗れた。メキシコには屈辱だったに違いない。
当時勝利した日本には分からない感情であったのだろう。
メキシコにとって今回の勝利は、53年前の屈辱を晴らした的な報道もされたに
違いない。
今回は、53年前と日本、メキシコの立場が完全に逆になった。
試合終了後、久保建英は人目をはばからずグランドで号泣した。
そのあまりの涙に驚き、もらい泣きしてしまった。
「 今までサッカーをやってきて、こんな悔しいことはない。
この気持ちを忘れないようにできればなと思います」
10歳からレアル・マドリッド・ユースでサッカーをし、そんまま
プロ生活をしている、20歳の久保がこんなに悔しさを爆発させるほど、
この大会に精魂注ぎ込んでいたんだ。 頭が下がる思いだ。
「ドーハの悲劇」を思い返すようなシーンだった。
あの悔しさから日本サッカーは飛躍の歴史を歩んできた。
現在の日本サッカーと上位国の間には、残念ながら
まだまだ大きな差があることを痛感させられたのも東京2020大会だった。
その差を縮めていくのは半端でなく、時間も要するだろう。
でも、この悔しさから歩んでいけばいい。
きっと「今の栄光は2021.8.6から始まった」と言える日を信じて。