8月11日は、落語中興の祖「三遊亭圓朝」の命日である
「圓朝忌」(1900年 明治33年没)。
圓朝の歴代名人の中でも別格だ。功績は語りだすときりがない。
話芸の妙にとどまらす、旺盛な創作力から現代に続く芝居噺、人情噺、
怪談噺の代表作を作り出し、海外文学作品の翻訳にも取り組んだ。
そして近代日本語の成立に関わる明治の言文一致運動にも大きな影響を与えた。
翻訳に「死神」(原作:モーパッサン)など。
現代に伝わる古典落語の代表作は、明治期の圓朝の創作したものだった。
そんな圓朝忌の11日。
文春落語オンライン「柳家喬太郎独演会 連続口演最終話」
を配信で聞く。先週の「志の輔らくご 牡丹灯籠」に続いての
圓朝作品となり、奇しくも聴き比べとなった。
今回、喬太郎さんが演じたのは「連続口演最終話」。
前半で今までのダイジェストをざっと説明し、仲入り後に本日のメイン
「関口屋の強請(ゆすり)」を演じる。
さすが柳家喬太郎・・迫力と繊細さが同居する大きな落語!
舞台上の存在感はピカ一だ。その大きな落語が語る怪談噺・・
惹き込まれ方は尋常じゃなかった。
どうしても先週や過去に聴いた「牡丹灯籠」と比較してしまう。
多くの落語家の演じる「牡丹灯籠」は、落語の牡丹灯籠だ。
今日聞いた、喬太郎さんの「牡丹灯籠」は、講談に通じるパワフルさもあり。
2時間ドラマあるいは年末特番ドラマ的な「牡丹灯籠」だった。
一方、志の輔さんの牡丹灯籠は、30時間の演目を2時間50分にまとめるという
構成の組み立てからして「大河ドラマ」。オールスターキャストの登場の
大河ドラマ一年分の総集編を一気に見るようなものだった。
「牡丹灯籠」にも三者三葉のカタチがあるが、個人的には三遊亭圓朝の
偉大さを肌で感じれる「大河ドラマ」が非常に好みだな。