生み出すとともに、究極の事業継承モデルを残してくれた。
発行元リイド社の追悼文を抜粋する。
さいとう氏は生前から
「自分抜きでも”ゴルゴ13”は続けていってほしい」という
いわば分業体制の究極ともいえるご希望をもたれ、さいとう・プロダクションを
そのような制作集団として再構築されました。
今後は、さいとうたかを氏のご遺志を継いだ、さいとう・プロダクションが
作画を手がけ、加えて脚本スタッフと我々ビックコミック編集部とで
力を合わせ「ゴルゴ13」の連載を継続していく所存です。
・・・物語はまだまだ続く
私も一度だけ「ゴルゴ13」に助けてもらったことがある。
「嫌いな上司」の抹殺を依頼したわけではない。
あれは、ゴルゴ13が創刊100巻となった1996年だった。
当時の私は立ち上げたばかりのネット書店の売上が振るわず、
責任者の私は社内で「金食い虫」などと陰口を叩かれていた。
インターネット創世記でアマゾンが日本に上陸する4年前だった。
その時、リイド社から「ゴルゴ13創刊100巻記念キャンペーン」を
一緒にやりませんか?と声がかかった。私は藁をも掴む気持ちで飛びついた。
それは素晴らしいキャンペーンだった。
単行本の購入者が応募券で応募すると抽選で、ゴルゴ13が物語の中で使用した
銃のモデルガンをプレゼントするというものだった。私の役割はネット書店の
中に応募フォームを作り、プレゼントするモデルガン(約20種)の紹介ページ
を解説することだった。
これがかなり出来のいいページだった。
第何話で誰を狙撃したM16アーマーライト、S&W M36チーフスペシャル
M203グレネードランチャー、ワルサーP38 等々、細かい解説が付いていた。
このキャンペーンが話題になり、私の担当するネット書店にも多くの
アクセスが殺到した。受注もそれなりに増えた。お陰で社内の嫌な空気を
吹き飛ばすことができ、その後の事業展開に継ぐことができた。
「デューク東郷さまさま」だった。
その意味で私も「ゴルゴ13」に救われた一人だった。
報酬は払っていない。その代わりコミックの売上で支払った(つもり)。
だが・・・・物語はまだまだ続く
さいとうたかを先生への追悼と感謝を込めて。
合掌。