Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

「高瀬舟」と読書感想文

志の輔師匠「高瀬舟」の続き。

 

町田独演会の二席目が始まった。

すぐに「高瀬舟」というキーワードが出てくる。

最初はマクラかと思っていた、しかし聞いているうちに

主人公の名前が出てきた・・・もしやこれは・・・

途中で確信した。「これは森鴎外高瀬舟

 

 

まさかとは思ったが、物語は「高瀬舟」そのままだ。

朗読でもなく落語でもなく、強いて言えば講談に近い形態で

物語を堪能した。こうゆう形態の落語もあるのか・・・。

調べてみると志の輔師匠は2009年にも「高瀬舟「を

かけているようだった。

 

「高瀬舟はオチがあるわけではないので、どう落語にするか?

 いろいろ考えました。一か所だけ原作と変えています。」

 

志の輔師匠がエンディングで話していたので、

早速、電子書籍で読み返してみるが違う部分がわからない。

(ここかなと思う部分はあるが今一つ確信がもてない)

この点は是非、答え合わせがしたいものだ。

 

 

高瀬舟」は高校夏休みの読書感想文の宿題の課題だった。

  ・1年時:高瀬舟森鴎外

  ・2年時:震える舌三木清

  ・3年時:夜明け前島崎藤村

 

今振り返ると、なかなか硬派な作品ばかりで

選書した現代国語の先生達の思い入れが強く出ている。

しかし、1学年14クラス(@50人)のマンモス男子校の

血気盛んなヤンチャ高校生には・・・少々荷が重すぎやしないか?

 

かくいう私も当時読んでいたのは雑誌ばかりで、

文学作品を読むのは、年に一度。感想文の課題図書だけだった。

(本を貪るように読み始めたのは、受験勉強で図書館に通うように

 なった高校三年の秋以降。)

当時は、この感想文が苦行だった。青春小説ならまだしも、

深い問題提起を含んだ文学作品だったから。

 

でもこの時のおかげで40年後に、「高瀬船」のストーリーに

すぐに喰いついていけた。その点では現代国語の先生に感謝。

 

読書というものは決して即物的ではないが、人間の引き出しを

増やし深みを増すものなのだ。今の時代この良さを伝えるのが

なかなかに難しいな。