いやぁ~ 後編も最高だった。
このドラマの勝因は、1にキャスティング。
2に舞台美術。3,4がなくて、5に演出・・・と私は見た。
動きは美しさ、そして他佇まい、見栄・・・普段のドラマとは別次元だ。
そして歌舞伎役者に、引けを取らない市村正親(四代目 市川團十郎)、
高嶋政宏(二代目 中村傳九朗)の歌舞伎然とした色気のある演技。
3人の女優(上白石萌音、名取裕子、若村麻由美)は出番こそ多くないが
存在感は圧倒的だった。 特に三味線で小唄まで諳んじる上白石萌音
はいい演技だった。
仲蔵が周囲の期待を上回る演技を見せ続け、嫉妬と妬みの中で
と駆け上がっていく様は、何度見ても(聞いても)痛快だ。
クライマックスの斧定九朗(中村仲蔵)が花道から登場するシーン。
空気が凍り付き、観客は息を飲む様は圧巻で美しかった。
いつも志の輔らくごで聞いていた情景は、まさにこれだった。
否が応でも比較してしまう。
「今まで聞いてきた中村仲蔵の世界はこれだったのか!」
と感嘆するほど。ドラマの再現性。ビジュアル的な美しさに感動した。
しかし・・・
クライマックスへ向けて高揚するボルテージ、圧巻の結末は、
志の輔らくごに比べると物足りなかった。
やはり志の輔らくごは別格なのだ。