Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

「ありがとう・・・」ホンダ新聞広告

じゃあ、最後、行ってきます

 

ホンダの新聞広告に胸が熱くなった。

今シーズン限りでF1参戦から撤退するホンダが

今季最終戦の臨む朝、歴戦のライバルに感謝を告げる

全面広告を日経新聞に掲載した。

 

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ホンダは1964年にF1に初参戦し、以降、撤退と復帰を重ね

現在に至っている。F1参戦は本田宗一郎イズムそのものであった。

ホンダ広報部のモータスポーツ担当者は語る。

F1に挑戦する理由は単にレ―スに勝利して名声を得ることだけではなく、

世界の頂点を目指していく過程でヒトと技術を磨くことにあります。

実際にライバルメーカーたちと切磋琢磨する中で鍛えられたヒトと技術を

製品に生かすことで、これまでHONDAは成長してきました。

 

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ホンダの話で想い出すことがある。

学生時代、同じバイト先で同じ時期に就職したAさんのことだ。

Aさんは有名国立大学の工学部を卒業しHONDAにエンジニア

として入社した。内定者時代に栃木県のテストコースに集められた。

そこで実際にF1の走行を間近で見せられたそうだ。Aさんはじめ全員が

興奮の極みだった。そしてテストランが終わりピットに戻ってきた

ドライバーがヘルメットを脱ぐと、なんとアイルトン・セナだった。

 

そんな話を興奮したAさんから何度か聞かされた。

こうしてHONDAのDNAが引き継がれていくのだろう・・

と感じたものだ。今回カーボンニュートラルの実現を理由に

HONDAはF1から撤退するが、いつの日か必ず復帰するであろう。

それがHONDAスピリットだから。

 

「初めてF1に挑戦した1964年のあの日あの時から今日までの、

 すべてのライバルに感謝します。

 すべての応援してくれた人、すべてのドライバー、

 (中略) すべての仲間に感謝します」

じゃあ、最後、行ってきます

 

youtu.be

 

日本語版の広告の最後は「じゃあ、最後、行ってきます」

で締めくくられているが、英語版では

And now it's time for one last dance.」さあ今、ラストダンスの時間です

 

ラストダンスの最終戦アブダビGP。

レッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手は、逆転勝利をおさめ

1990年のアイルトン・セナ以来30年ぶりのF1王者となった。

 

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