友人から勧められていた本を読了。
タイトルと表紙にまず惹かれる。(バーリ・トゥードとは何でもありの
格闘技。総合格闘技の原型)・・・が当然、プロレスや格闘技の本ではない。
発売(出版社)は東京大学出版会で、そのPR誌「UP」に連載されていた
川添愛さんの言語額エッセイを集めたものだ。
本書の中で著者は「言語学とは名ばかりで、実質的には単に私が
普段考えているバカ話を披露している」と言っているが、
やはり言語学者が目をつける変な文は、切り口が見事で妙に納得させられる。
なんせ第一章に
「ラッシャー木村の「こんばんは」に、なぜファンはズッコケたのか?」
をブチかましているからね・・・。
(このズッコケた理由を言語学の観点から分析している)
他の章も私の好奇心を掻き立てる「言語(タイトル」が並ぶ。
・AIは(ダチョウ倶楽部の)「絶対に押すなよ」を理解できるか
・「恋人(は/が)サンタクロース」(松任谷由美)
・「海老名市最高層を、住む」(マンションポエム=タワマン広告のコピー)
・キャラクターを演出する「ニセ英語の世界」(長嶋茂雄、ルー大柴ほか)
・「ドラゴン」という名の現象(なぜ、藤波辰巳の動きは「ドラゴン」を冠するのか)
cf.ドラゴンスープレックスから「ドラゴンリングイン」「ドラゴン城めぐり」まで
非常に楽しいテーマばかりだが、そこは言語学をまとった文章。
玉袋筋太郎の「プロレス取調室シリーズ」とは違い、読みでがあり
読了までには時間がかかった。
著者が書泉グランデのイベントで、参加者からこんな質問を受けたそうだ。
「好きなプロレス技は何ですか?」
プロレス書籍、アイドル写真集、鉄道本の聖地「書泉グランデ」で
イベントを開催する言語学者も言語学者なら、言語学者にプロレスの技を訪ねる
参加者も参加者だ(笑)
その質問に対する著者の答えは
「真霜拳號選手の無道」
「本田多聞選手の回転地獄五輪」・・・両方とも知らんな~
Youtube で探してみた。わりと地味な技だった。