「鎌倉殿の13人」がますます面白くなってきた。
今週は頼朝の旗揚げと石橋山の合戦。毎週名場面が満載だ。
最近の大河は合戦シーンもこじんまりし、「ナレ死に」(※)
を多用する傾向があるが、三谷幸喜は違った。
石橋山の夜の合戦シーンを見事に再現し、
篝火の大軍が向かい合い、大庭景親(國村隼)と北条政時(坂東彌十郎)の
名のり合いを再現。北条宗時(片岡愛之助)の惨い最期もしっかり放送。
今回の大河の本気度が伺える。
今回のクライマックスは、
これはグッときた。
源氏でも平家でもどっちでもいい。
俺は人にへつらいながら生きていくのは真っ平だ、
オレは東国武士を束ねその頂点に立つ!その為に頼朝が必要なんだ!
坂東は西から来たやつらのものじゃなく俺たち坂東武者のもの、
北条はそのてっぺんに立つんだ
という宗時の言葉に、
嬉しそうに何度も頷く義時。
義時の笑顔が素晴らしい。小栗旬の名演技だ。
そしてこのシーンが、この先11ヵ月続く物語の原点であり、
すべてを語っている。名場面だ!
北条は頼朝を担ぎ平家を滅ぼし幕府を開く。そして執権として
その頂点に君臨する。源氏亡きあとは、義時が承久の乱で上方に攻め入り
日本全国に武名を鳴り響かせることになる。
片岡愛之助演じる宗時は、登場回数こそ少ないが、
北条の進むべき道を義時に指し示した重要な役だった。
早々の退場は惜しいが、十分に爪痕を残した役だった。
(愛之助は歌舞伎公演もあるので、通年での出演が難しいのだろうが)
そう言えば、この前かった歴史群像に
「鎌倉殿の古戦場を歩く 石橋山合戦」という記事があったのを思いだした。
合戦場は小田原から湯河原、熱海に抜ける海沿いの狭隘の地、伊豆にドライブ
する時に必ず通る場所だ。
なぜ頼朝はあんなに狭く急斜面の地に陣を敷いたのか?
その答えもこの記事で分かった。
頼朝は前面の大庭勢、背面の伊東勢に挟撃され、じりじりと後退し
やむなくこの地に陣を敷いたようだ。