Makotsu Garage

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伊集院光とらじおと 最終章

 

3月24日(木)でTBSラジオ伊集院光とらじおと」が最終回を迎える。

数あるラジオ番組の中でも「らじおと」と「たまむすび」は、

私の闘病生活を支えてくれた番組だけに、その終了が残念で仕方がない。

 

伊集院光とらじおと(通称:らじおと)」が始まったのは

2016年4月。番組開始のニュースはセンセーショナルだった。

TBSラジオで30年続く大沢悠里の帯番組「大沢悠里のゆうゆうワイド」が終了し、

その後任にラジオの帝王(それも夜の)「伊集院光」が午前の帯番組を担当するという。

その衝撃は、密室芸人タモリが笑っていいともの司会に就いたのと同じレベルだった。

引き受けた伊集院さんの決断にも驚いたが、これでTBSラジオ向こう20年は

安泰だと巷では語られた。私も同感だった。

 

 

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伊集院さんは番組開始当初から全力投球だった。

少しでも朝の時間帯に馴染もうと様々なチャレンジを試み、

多種多様なゲストの噺を真摯に聞こうという、必死さが伝わってきた。

最初は肩に力が入りすぎ、聞く方も疲れることもあったが

半年も過ぎた頃には、肩の力も抜けて聞くのが心地よくなってきた。

伊集院さんらしい特色も違和感なく出てきた。

 

番組が始まった2016年の6月、私は腰の手術をすることを決心した。

医師からは早々に手術を勧められていたが、2年間決断できずにいた。

いい先生に巡り合えたことと、身体が限界にきていたことが重なり

手術を決断した。手術日は9月末。

・・・・長く苦しい日々が始まった。

 

いつも病院の待合室や入院中には「らじおと」を聞いていた。

手術は無事に終わった。長年の苦しみから解き放たれたように

心身ともに晴れやかになった。

・・・のはずだった。術後半年して痛みが別の形で再発した。

ショックだった。かなりのショックだった。

今まで当たり前だった日常生活がガラガラと崩れていった。

 

こんなはずはない。こんなはずはない。とオロオロし動揺した。

何度も主治医のもとを訪れ質問しまくった。あらゆる本を読み、体操、

ストレッチ、心理療法といろいろなことをすべて試したが治らない。

テレビの健康番組に出演していた名医の予約を半年待って診てもらった

会社も休職して療養することになった。

 

ある日、主治医から「再手術しても、痛みが取れるかはわからない」

と言われた・・・治す術がないのか・・・と相当なショックだった。

医師に対する不信も生まれ、何を信じればいいかわからなくなった。

夜も痛みで熟睡できず、夜を迎えるのが恐ろしい日々が続いた。

 

眠れない夜を過ごしながら、早く朝になってくれと祈った。

朝になったからといって痛みが治るわけではない。でも朝を待ち望んだ。

朝になれば「らじおと」が聞ける。いつと同じ伊集院さんや赤江珠緒さんの声

たまむすび」を聴いて安心することができた。

いつもと同じ声を聴くと痛みが少し和らぐ気がした。

 

2018年3月。半年間の予約を待って名医に見てもらった。

腰も悪いが頸椎がかなり悪いと診断された。手術しないと四肢が不自由になる

危険があるとのこと。踏んだり蹴ったりだった。待ったなしの病状だったが

3か月間、手術を決断することが出来なかった。

 

2018年8月。頸椎の手術を受けこちらのリスクは軽減できた。

しかし腰は相変わらず痛みが残った。仕事は休職したまま。自分でリハビリ

するしかない日々が続いた。打ちひしがれた心を「らじおと」と「たまむすび」が

安心させてくれた。そんな出口の見えない日々が続いた。

休職期間満了で新卒から30数年勤務した会社も退職した。

 

2018年11月。ダメ元ではじめた治療に効果があった。この治療法は

2年間、毎日自分で注射器で薬を投与するというもの。

すこしづつだが動けるようになった。痛みが完全に取れるわけではないが、

なんとか付き合っていけるレベルに抑えることができるようになった。

ウォーキングもできる・・・私にとっては奇跡に近かった。

少しずつ日常生活が取り戻せるようになり、心も軽くなっていった。

 

2019年9月。前の会社で繋がりのあった方からのご縁で、障がい者雇用枠

で再就職できた。無理せずゆっくりゆっくりと仕事を始めた。

だんだん生活のリズムが整っていった。残念ながら「らじおと」「たまむすび

をリアルタイムで聞けなくなったが、radikoタイムフリーで聞き続けている。

 

おかげ様で以前の苦しみが嘘のように、今は元気でいられる。

もちろん完全に調子のいい時などないが、心が折れることなく生活ができている。

 

そんな中で聞いた「らじおと」終了のニュース。ショックだった。

何事にも始まりがあれば終わりもある。これも仕方がないことなのだろう。

今は苦しい闘病生活を支えてくれた「伊集院光とらじおと」への感謝を気持ちで

いっぱいだ。

 

毎朝「カルメン」の音楽とともに流れてくる伊集院さんの声・・・

本当に助けてもらいました。私のように伊集院さんのラジオに助けてもらった人が

沢山いると思います。それがラジオの力のなのだと。

いつの日かまた昼の帯番組に復帰してください。

その時が来るのを首を長くして待っています。

 

6年間お疲れ様でした。 そしてありがとうございました。

 

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