今月号の特集では
・レンドリース法
4/28アメリカ下院は「ウクライナ民主主義防衛・レンドリース法 」を
可決した。第二次大戦で連合国に莫大な武器を供給したレンドリース法が、
復活した。まさに戦時体制に突入だ。
ウクライナとロシアで激しい攻防が行われている場所で81年前に
行われた戦闘…歴史が繰り返しているとしか思えない。
1941年のキエフ包囲戦は独ソ戦前半の大きなターニングポイントだった。
ウクライナの経済的価値を重視したヒトラーは、幕僚たちの反対を押し切り
モスクワを目指していたドイツ中央軍集団からグデーリアン将軍率いる
その結果、ドイツ軍はソ連軍の退路を遮断し、キエフ周辺にソ連軍を
包囲し殲滅した。ソ連軍の被害は戦死と行方不明(捕虜を含む)を合わせて
61万6304人。一方ドイツ軍の戦死、行方不明者は1万4813人。
ソ連軍の南西方面軍が壊滅したした。ドイツ軍の大勝利だった。
しかし、この代償は高くついた。
グデーリアン将軍率いる第二装甲軍団は、キエフを離れ再び中央軍集団に
復帰し、モスクワ攻略戦(タイフーン作戦)を開始したが、失敗に終わり
冬季持久戦に突入し。二度とモスクワ攻略のチャンスは失われた。
ドイツ軍(中央軍集団)にとって、キエフへの寄り道(その時間)は
致命的な影響をもたらした。
89年経ち、再びキエフ(キーウ)近郊での戦闘が繰り返されている。
この国(ソ連⇒ロシア)は、一会戦で60万の兵力を失っても、
戦いは止めない。第二次大戦では軍人・民間人合わせて2000万人~2800万人の
犠牲者を出しながらも、4年間闘い続け勝利をおさめた。
そんな国が戦争をしているのだ、開戦2か月の今、勝敗を語ることに
あまり意味はない。勝敗に一喜一憂するのではなく一刻も早く停戦
できるようにしなくてはならないのだが・・・