前職の本社を訪問した際に、萬来飯店の前を通ると
シャッターが閉まっていた・・・昼食時だというのに(?)。
ちょっと気になった。
古巣の知り合いに聞いた
「萬来やってなかったけど。どうしたの?」
「ご主人が亡くなって店を休んでいたんだけど、3月末で閉店したんだよ」
ええー! びっくりした。
ご主人が亡くなったのは風の噂に聞いていたが、
まさか閉店になっているとは・・・
萬来飯店(通称「萬来(バンライ)」は、
勤めていたトーハンから徒歩数分の中華料理屋さん。
1F座席、2F座敷、3F宴会場で、退社後の一杯から、歓送迎会、
取引先との親睦会と職場の御用達だった。
名物はとにかく量の多いこと。(もちろん味も)そしてお手頃価格。
乱立していたので、肉体労働者が通う店だったのだろう。
三十数年のトーハン在職中に何度この店に行ったろうか?
退社後の飲み、出版社さんや書店さんとの懇親会。
部署の歓送迎会。定年退職者の送別会。仕事始め仕事納め・・・
おそらく平均すると月に6回ぐらい・・・
ざっと通算すると約2,000回強! 通いも通ったりだ。
しかし、私などまだまだ若輩である。
部署の上司たちの中には、ほぼ毎日通っている常連というか・・・
萬来一族のような猛者が多数いた。
とてもとても私には真似できない猛者達だった。
なんであんなに毎日飲むんだろう(?)
誘われるのがつらい時も多々あった(笑)。
この辺がサラリーマンの機微で、なかなか微妙で難しい。
飲みに行くか、宴会がメインだったので。
あまり食事のメニューには縁がなかった。数少ない食べた料理は
名物の「カツカレー」「オムライス」。これがまたデカい。
(全然、中華料理ではなかった)
萬来で昼食をとると、おなかが一杯になりすぎて
午後の仕事は、かなり苦しかった・・そして眠かった(笑)。
これも今となってはいい思い出。
食事の時は基本的に前払いで食券を買う。
(飲み会の時は後払い)
ずいぶんと街並みが変わってしまった。
トーハンも凸版も物流部門、印刷部門が郊外に移転し、
印刷工場・製本工場も次々とマンションに姿を変えた。
その影響で昼間労働人口が減り、周辺の飲食店が次々と
閉店していった。そんな中でも「萬来」は頑張っていた。
いや、いつまでも「萬来」はあるものと思っていた。
まさか「萬来」が閉店するなんて・・・
というのが偽らざる感想だ。
さようなら萬来。ありがとう萬来。
本当にお世話になりました。