ようやく映画「大河への道」を観ることができた。
どうしても落語と比較してしまうので、評価は厳しくなるが、
まずます面白かった。
シナリオ作家というのは、ここまで作品、登場人物を
増やし膨らますのか・・・と感心する。
クライマックス江戸城大広間のシーン。
「伊能はここにおります」
と高橋景保が、「忠」の文字が縫い込まれた、ボロボロのわらじを
12代将軍家慶に差し出すシーン。
ここは落語にはない映画ならではの素晴らしい演出で大いに涙した。
落語を聴きなれているせいか、大河への道は、
やはり落語の方がしっくりくる。削ぎ落された語りの世界と演出・・・
これは「志の輔らくご」ならではの魅力。
エンディングも落語の・・いわゆるサゲの台詞を期待していたが、
映画的なエンディングに変わっていた。
落語と映画を比較すること自体、ナンセンスなんだけど・・・
映画になりえる作品(「歓喜の歌」「大河への道」を生み出した、
志の輔さんの創作意欲は、大いにリスペクトする。