Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

すなっくらんどぞめき

昨日の柳家喬太郎独演会で聞いた

新作落語すなっくらんどぞめき」が見事だった。

 

この話は古典落語二階ぞめき」をモチーフにしている。

毎晩吉原へ通う若旦那、それに怒り勘当すると言い出す主人(父親)。

困った番頭が若旦那に注意しに行くと、「吉原がこちらに来れば

遊びに行かないと」と答える。

番頭は腕のいい棟梁に頼んで家の二階を吉原そっくりに改造してしまう

 

喬太郎さんの新作落語はタイトルそのまま。

すなっくらんど」に通い詰める若旦那を諫めるために

二階を「すなっくらんど」に改造してしまう噺。

 

「すなっくらんど」を知っている人は大爆笑。

私も一緒に行ったTさん夫妻も大爆笑だった。

 

 

すなっくらんど」とは、池袋駅東口地下コンコースにあった、

立ち食い屋台が集まったフードコードで、B級グルメの聖地と呼ばれていた。

蕎麦、丼ぶり、サンドウィッチ、おにぎり、焼きそば、スパゲティ、ピラフ

寿司、そして「原宿ドック」。

椅子がない屋台が狭い場所に密集する様は、アジア的な雰囲気を醸し出していた。

通勤、通学や買い物で池袋に縁のあった人にとって

「すなっくらんど」は記憶に残る場だったと言える。

 

私が社会人になった1987年。最初の一年間は研修と称して

三か月サイクルで様々な部署をローテーションで回った。

正式配属ではないので、特に残業も責任もない・・・

5時になるとお気楽に退社する。当時、独身寮が成増、練馬に

あったので研修同期仲間で池袋方面に向かう。

 

その時の合言葉は

”すなっくらんど”で素敵なディナーでもしてかない?

お金もあまりなかったので、「すなっくらんど」は非常にありがたかった。

 

 

ネットで調べると

すなっくらんど」は1997年に閉店し、その後「スナックイン」となり

営業していたが、そこも2014年には閉店。今は跡地に小奇麗なお店が並んでいる。

 

まさか落語を聞きに来て「すなっくらんど」を

思い出させられるとは・・・

こうゆう意外性も新作落語の魅力!

 

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