7月30日付け朝日新聞「テレビ時評」。
「1996年とバラエティー」というタイトルが気になる。
吉田拓郎の年内引退で大きな反響を呼んだ
「LOVE LOVE あいしてる」が始まったのが1996年。
1996年はバラエティー番組の当たり年だった。
この年に始まった番組は錚々たるもの。
・「LOVE LOVE あいしてる」(CX)
・「めちゃ×2イケてるッ!」(CX)
・「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」(日テレ)
・「進め!電波少年 猿岩石ユーラシア横断ヒッチハイク」(日テレ)
・「水曜どうでしょう」(HTB)
どの番組もテレビバラエティ史に燦然と輝く人気番組。
ちょうど私が最もよくテレビを見て、刺激を受けていた時代だ。
筆者はこの時期、バラエティーに2つの傾向が生まれたと語る。
一つは、ドキュメンタリー要素を色濃く盛り込んだもの。
笑ってコラえて、猿岩石、水曜どうでしょう・・等がこれにあたる。
もう一つは、平穏な日々の大切さを改めて噛み締めるように
王道の娯楽に回帰するもの。LOVE LOVE あいしてる、SMAP × SMAP、
めちゃ×2イケてるッ!がそうだ。
確かにCX(フジテレビ)、日テレと2大バラエティ局が多くを占めるが、
明かに80年代から90年代前半の、いわゆるバブル期の尖った、最先端の、
ツウ受けするバラエティとは明らかに毛色が違う。
潮目が大きく変わった時期なのだろう。
私は前者のドキュメンタリー要素のバラエティが好きだった。
特に「猿岩石」は、毎週涙を流すほど感動していた。
「LOVE LOVE あいしてる 最終回・吉田拓郎卒業SP」
そうか吉田拓郎が出れなければ「LOVE LOVE あいしてる」
は成立しないのか・・・だから最終回か。
この番組の癒しは、令和の現在も薄らいではいない。
こう「テレビ時評」を結ぶ筆者「太田省一」の著書は
どれも大変に興味深い。私も何冊か蔵書している。
高田文夫先生も注目の著者で今後に期待!