Makotsu Garage

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病が語る日本史  講談社学術文庫

オリオン書房某店で、この本に素晴らしいPOPがついていた。

在庫は棚刺しの一冊だけだったが、

一目読んで本書を買いたくなり、すぐに購入した。


病が語る日本史 (講談社学術文庫)

病が語る日本史 (講談社学術文庫)


POPはこんな感じだったと思う

道長の糖尿病、信玄・家康の胃ガンなど豊富なエピソードを交え綴る病気の文化史。
古来、日本人はいかに病気と闘ってきたか。人骨や糞石には古代の人々が病んだ痕が遺されている。
結核・痘瘡・マラリアなどの蔓延に戦いた平安時代の人々は、それを怨霊や物の怪の祟りと考え、その調伏を祈った。
贅沢病といえる糖尿病で苦しんだ道長、胃ガンで悶え死にした信玄や家康。歴史上の人物の死因など盛り沢山の
逸話を交え綴る病気の文化史。


POP読んだ時程の刺激はなかったというのが正直な読後感だった。

歴史上の病に関する事実が淡々と描かれており、そこにドラマ性の

入り込む余地はなかった。


面白かったのは”消えた病気”という項。

日本の医学が明治維新を境に東洋医学から西洋医学に大きく入れ替わった。

その際に、昔から馴染んできた病名が消えて行った。

(もちろん病気がきえたのではなく、西洋医学の病名となり再登場している)

落語にでてくるものも多く、非常に興味深い。


 例) ・疝気(せんき) と 癪(しゃく)  現代の病名

    ・中気(ちゅうき)  と 中風(ちゅうふう) 現代の病名  
    ・腎虚(じんきょ)   現代の病名