Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

「科学」の付録 ”ありのかんさつせっと”

 昨日書いた「ベストセラー伝説」(本橋信宏著)で一番惹かれたのが、

学研の「科学」と「学習」の章。

 

私は小学校低学年の時に「科学」を購入していた。確か毎月小学校に

業者さん(?)が販売に来ていたのを買っていた。

「科学」は付録が魅力だった。それ目当てだといっても過言ではない。

毎月の付録にワクワクし夢中になった。

時々「学習」にも魅力的な付録があったが、両方買うことは親から

許されていなかったの我慢するしかなかった。クラスに何人かいた

「科学」と「学習」を両方買う友人がすごく羨ましかった。

 

「科学」と「学習」って何だんたんだろう?

もう一度見たい!「科学」と「学習」 (Gakken Mook)

もう一度見たい!「科学」と「学習」 (Gakken Mook)

 

「ベストセラー伝説」によると

「学習」は、1947年創刊。2009年冬号で休刊。

「科学」は、1959年創刊。2010年3月号で休刊。

学校内直販という独特の販売手法で部数を拡大し、1979年には月間670万部、実売率90%に達した。

その後、消費者運動の活発化により学校直販が批判のやり玉にあがり、「学研のおばちゃん」に

よる家庭への直販方法に変わった。

 

学校直販とは不思議な制度だ。当時の児童は先生から集金袋を配布された。

親からもらった代金をいれた集金袋を持って、学校内の販売場所(渡り廊下が多かった)で

「科学」と「学習」を購入した。

この販売方法は今の常識からすれば違和感がある。一出版社が発行する雑誌の販売に学校が独占的に

協力するのは・・・公平性に欠け、利害関係も不透明だ。批判があがるのも無理はない。

「ベストセラー伝説」では、この学校直販成立の謎も解明していた。

 

終戦直後に創立した学研は、当初取次店との取引(配本)もできなかった。その対応策として新たな

販売ルートを構築する必要に迫られた。そんな折、軍国主義に加担したとして公職追放されていた校長たちを、「学習」の販売部長として各小学校への営業を委託することにした。

この効果は絶大で、学校内で児童に直接販売するルートが確立する。

 

www.gakken.co.jp

 

「科学」の付録の話に戻る

とにかく毎号「科学」の付録に夢中になった。今振り返っても具体的に思い浮かばないが、

一つだけ思い出せるのは 「ありのかんさつせっと(蟻の観察セット)1969年度」

縦長の土を入れたプラスチックケースで飼うもの。蟻が巣を作り、それを断面として

観察できるといもの。蟻の巣の中を見た時は感動したな~!

 

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ありのかんさつせっと

ケースに土を入れ、つかまえてきたアリを中央のケースから投入。アリが巣を作る様子を

観察できた。左右で違う種類のアリを入れて比較できるこのケースの形は、

ホテルニューオータニがモデルだった。