Makotsu Garage

本と映像と音楽の記録(ガレージ)

論語と算盤

私は、ほぼ毎日書店に足を運ぶ。


よく行くのは地元の駅前にある30坪の書店。大手書店チェーンの店だ。

私が行く時間はだいたい夜の八時過ぎ、その時間になるとあす発売の雑誌を

陳列するために商品が返品され、平台がスカスカになっている。


せっかく書店に行っているのに、いつも商品がスカスカで

お客さんの立場としては非常に残念な気持だ。


だが立場が変わり、仕事で書店さんの経営分析や経営指導をする際には、

人件費が大きなポイントとなる。

いかに社員、パート、アルバイトを効率的に運用し、人件費を抑えるかで

書店経営の生死が決まると言っても過言ではない。(あと家賃も)


そう考えると、遅番のバイトが手空きの時間に商品を返品し、明日発売雑誌の

陳列スペースを空けておけば、残業せず閉店後はすぐ退社できる。

そして翌朝の開荷、陳列も最低限の人員かつ短時間で可能だ。

まして明日に最新号が発売される雑誌が閉店前の数時間で、どれだけ売れるか?

販売機会ロスは非常に少ないと考えられる。

きわめて効率的なジョブメニューなのだが・・・。



理屈では分かっていても、書店のスカスカな平台は非常に気になる・・・・・



論語と算盤 (角川ソフィア文庫)

論語と算盤 (角川ソフィア文庫)


このことで思い出したのが、

日本資本主義の父”渋沢榮一”翁の言葉だ。


「真正の利殖は仁義道徳に基づかなければ、決して永続するものではない」

(道徳と経済、倫理と利益を両立させ、経済を永続的に発展させることを説いている。)


電子出版で揺さぶられている今こそ、出版業界は

 「論語」と「算盤」を一致せしめるべし!  


                          を忘れてはいけない。