特集が東京という街を懐古(?))する
「僕たちが愛した東京」 だったので購入。
昔からこの手の特集が好きだった。ただし懐古の対象は、
戦前の風情、戦後の焼け跡、1964オリンピックの喧騒、
学生運動の争乱、テント芝居・アングラ演劇の時代・・等々
自分が「まだ見ぬ東京の街」だった。
本書の特集で言えば、松本隆「風をあつめて」の
「路面電車の走る路地」という東京の街並みで、
それは懐古というより、憧れやリスペクトに近かった。
それがいつの間にか、懐古する時代が、ぐっと近寄ってきた。
(年齢を重ねているのだから当たり前なのだが・・・)
本書が対象とする東京は40年前、つまり1980年(昭和55年)。
頁を開き、自分が「見て、聞いて、歩いた東京の街並み」
の多くがすでに失われているのを知り驚く。
東急文化会館、東急プラザ、渋谷公会堂、後楽園球場、国立競技場、
新宿LOFT、六本木WAVE、ソニービル、代々木エンジェルビル・・・
もちろん個々には知っていたが、こうまとめて並べられると、やはり
時代の移り変わりに愕然とする。
新型コロナウイルスでの自粛生活の中、前向きな考えを思い描くことが
なかなか難しい。そんな中、ちょっと昔を懐かしみ明日へのパワーを
蓄えるのも、これはこれでいいんではないかい。
そんな貴兄への課題図書(本誌内でも紹介)