懐かしい文庫を書店の棚で見つけた。
やはり、時節柄、重版されたようだ。
つまり40年前の執筆となる。
三陸沿岸を襲った、明治29年津波、昭和8年津波、チリ地震津波(昭和35年)
を備に検証したノンフィクション小説。執筆当時は、3つの津波を経験した
古老も生きており、その証言は生々しい。
私が読んだのは、確か学生時代。
津波とは、そんなに恐ろしいもなのか? 正直、実感がなかった。
(おそらく大部分の方がそうだろうと思う)
巻末の解説に、明治の津波から十勝沖地震津波(昭和43年)まで経験した
古老の言葉が記してある。
「津波は時世が変わってもなくならない、必ず今後も襲ってくる。
しかし、今の人たちは色々な方法で十分警戒しているから、
死ぬ人はめったにないと思う」
この古老が現在の状況を見たら、なんと言うのだろうか・・・。