Makotsu Garage

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司馬遼太郎全仕事  文春文庫

文春文庫の6月の新刊。

やはり司馬遼太郎の文体には、文春文庫のフォント、版面が非常に合う。

自慢ではないが幕末・明治ものとエッセイ、評論はほとんど読了している。

いまさら司馬遼太郎入門などは・・・と少々軽んじていたが、

本書の内容は非常に読み応えがあった。



まずは三大長編「竜馬がゆく」「翔ぶが如く」「坂の上の雲」を

名場面、あらすじ、読みどころ、キャラクターガイド、相関関係図でたっぷり紹介。

そして、長編小説、短編小説、紀行・エッセイ・評論・その他の全作品を紹介する。

もちろん文春だけではなく、全出版社を網羅。

巻末には、「わが小説のはじまり」(司馬遼太郎)、「儒教への厳しい目」(宮城谷昌光

を特別に収録している。


再度読みたくなる作品。未読の作品が次々に沸いてくる。


ロシアについて―北方の原形 (文春文庫)

ロシアについて―北方の原形 (文春文庫)


再読したくなった作品の一つが、1986年の作品「ロシアについて」。

当時はロシアではなくソビエト連邦だった。その時代にのソ連・ロシアの原型を

シビル・ハン国」「タタールのくびき」から説いた司馬史観に学生時代の小生は魅かれた。

読んだ後に宗谷岬に行き、宗谷海峡ごしに樺太(サハリン)の山並みを見た憶えがある。

「あれがロシアか・・・」と。


書店の文庫棚も司馬遼太郎作品が少なくなった。

反面、大型のブックオフに行くとほとんどの作品が揃う今日この頃・・・。